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【ダイエットの栄養】ビタミンEの効果と不足症状、摂り方

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ビタミンEは抗酸化作用を持つビタミンです。体にさまざまな悪影響を及ぼす活性酸素から体を守り、健康を促進する効果で知られています。
シワやたるみ、体力の低下といったアンチエイジング効果も高く、美容の面においても重宝されている栄養素です。
血管や細胞などの老化を防止することから、動脈硬化といった生活習慣病に対する予防効果も評価されています。
ダイエットにおいては、血行を促進させる・体の酸化を防ぐといった点が有効に働きます。
今回は、若返りのビタミンとして名高い、ビタミンEについて説明していきます。

1.ビタミンEとは?

ビタミンEの歴史

ビタミンEは1924年に発見されたビタミンですが、1936年ごろから広く知られるようになったビタミンです。
発見当初は不妊を防ぐための栄養素として扱われていました。
トコフェロールという名前で知られており、この名前もギリシア語のTocos(子どもを生む)と、phero(力を与える)という言葉から由来しています。

ビタミンEの役割

ビタミンEは高い抗酸化作用を持つビタミンです。抗酸化作用とは体の中に生じる活性酸素を減らす働きを指します。
活性酸素は体内に侵入した細菌やウイルスを撃退し、免疫力を高める効果をもっています。よって、体に必要な成分ではありますが、体内に存在する不飽和脂肪酸と結びつくことによって、過酸化脂質へと変化し、酸化してしまいます。
酸化反応でもっとも代表的な例としては、金属のさびがわかりやすいでしょう。金属は酸素と熱が化合することにより、状態が変化します。
体内における酸化も似たような反応で、金属や鉄分ではなく細胞がさびて老化してしまいます。

細胞は肉体の再生を担うだけでなく、正常な新陳代謝を促す役割も持っています。人間が生きていく上でもっとも重要な生命機関です。
また、細胞の中には遺伝子も含まれており、細胞膜というバリアで守られています。
ビタミンEは細胞膜に多く存在する栄養素です。

ビタミンEの役割は、不飽和脂肪酸と結びつく前に活性酸素と結びついて、細胞を攻撃させることなく体外へと排出させることです。
活性酸素と結びついて細胞の酸化をもたらす不飽和脂肪酸は、ビタミンEとともに、細胞膜の近くに多く存在しています。
しかし、活性酸素は不飽和脂肪酸よりもビタミンEと結びつきやすいため、十分にビタミンEを補給しておいた場合、活性酸素が細胞の酸化をもたらす過酸化脂質へと変化することはありません。

 

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2.ビタミンEとダイエット

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ビタミンEは高い抗酸化作用によって、血管や代謝の老化を防ぐ働きがあります。血管が老化すると、脳卒中や動脈硬化といった生活習慣病を招く要因となるだけでなく、血行が悪くなり、全身に栄養素が運ばれにくくなるため、ダイエットにも大きな弊害が生じます。
栄養素が運ばれにくくなるということは、食品から摂取した脂質や糖質も消費されにくくなるということです。
体の循環機能である血管の能力が低下することによって、老廃物が溜まりやすく、むくみの原因にもなります。

また、ビタミンEには毛細血管を広げる働きも持っています。
この働きは抗酸化作用とは別の仕組みで行なわれており、血管の収縮を促す、神経伝達物質の生成を抑えることで、血管が細くなることを防いでいます。
これは冷え性や便秘などの改善にも繋がる、大きなダイエット要素です。冷え性や便秘によって血流が低下すると、エネルギー消費が少ない体質になります。
体内で生み出されるエネルギーはカロリーと同義語です。ダイエットを行なう際には、エネルギー(カロリー)をいかに多く消費するかがポイントとなります。

さらに、ビタミンEには血中の過酸化脂質が活性酸素と結びつかないようにする役割も担っています。
血中の過酸化脂質が酸化すると、粘度が高くなります。ドロドロになった血液はさらなる血流悪化を招き、結果としてダイエットに大きな支障をきたしてしまうことになります。

ビタミンEは他の栄養素よりも活性酸素とくっつきやすい性質を持っている栄養素です。血液の中のリポタンパク質(コレステロールや脂質を運ぶ成分)にも存在し、あらゆる場面で細胞の酸化を防止してくれます。

3.ビタミンEの効果

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生活習慣病の予防

ビタミンEは抗酸化作用によって、血中のコレステロールや過酸化脂質の酸化を防止することから、動脈硬化や高血圧、心筋梗塞、脳卒中などの生活習慣病を予防する効果があります。
過酸化脂質と結びついた活性酸素は、本来の役割である細菌を攻撃する役割以上の働きを行なってしまい、その余分な働きが細胞を傷つけることへと繋がってしまうのです。
余分に生み出された活性酸素が過酸化脂質と結びつく前に、ビタミンEと結合することによって排除されるため、血管内の細胞が健康に保たれ、しなやかな血管を育むことができます。
また、血中に存在するコレステロールや脂質の細胞膜にもビタミンEは存在しており、これらに含まれる過酸化脂質と活性酸素が結合するのも予防します。
その結果、血液がサラサラになり、血行がよくなるという効果も認められています。

肩こりや腰痛、頭痛の改善

ビタミンEは血行を促進する効果があるため、肩こりや腰痛、頭痛の改善にも役立ちます。
特に頭痛の改善はダイエットにも関わる重要な効果です。
脳は多くの糖質を消費しています。
糖質は脂肪の元となる栄養素です。主食に多く含まれ、人間が摂取しなくてはならない三大栄養素の中でもっともエネルギーに変換されやすい栄養素となっています。
つまり糖質を消費しなければ、体内に蓄積された脂肪がエネルギーに変換されることはありません。
糖質をエネルギーへと変換し、燃焼していくためには重要なのは、運動だけでは在りません。もっとも糖質が消費されやすい脳にしっかりと栄養を届けることもカロリー消費に繋がります。
脳に栄養素を運ぶのは血管です。すなわち、ビタミンEを摂って健康な血管を作り、血流をよくすることが頭痛改善とダイエットの双方に役立つのです。

美肌効果

ビタミンEの抗酸化作用は、細胞の酸化を防止するため、美肌効果も発揮されます。健康な細胞は新たな細胞を生み出す力を持っています。肌のターンオーバーも日々新たに作られていく細胞によるものです。

生殖活動の維持

ビタミンEは副腎や卵巣にも多く蓄えられており、ホルモンの代謝を助けています。特に男性らしさや女性らしさを発揮させる性ホルモンの分泌調整に深く関わっており、生殖機能を正常に働かせるためのバランスコントロールには、必ずビタミンEの摂取が必要です。
生理前のイライラや生理痛など、女性特有の月経症状は性ホルモンの乱れによって引き起こされていることが多く、ビタミンEを摂取することでこれらの症状を改善することができるといわれています。

アンチエイジング作用

ビタミンEは細胞そのものの若返り効果を持っているため、肌や血管の若返り効果だけでなく、内臓や筋肉、脳の老化予防にも役立つことがわかっています。
人間の体は手足や髪から内臓に至るまで、全て小さな細胞によって構築されています。ひとつ一つの細胞の寿命は短いものの、次々と新たな細胞を生み出せるだけの力を持っているために、健康な肉体を維持することができているのです。
新たな細胞を生み出し続ける力こそが若さであり、その若さを保つ重要な栄養素がビタミンEということになります。

4.ビタミンEが不足した場合

ビタミンEが欠乏することはほとんどありません。ただし、極端なダイエットを行なうと欠乏症に陥ることはあります。
もっとも深刻なビタミンEの欠乏症は、溶血性貧血です。
ビタミンEが不足すると赤血球の膜が酸化してしまい、壊れやすくなります。未熟児に多く見られる症状ですが、長期間ビタミンEを摂取していなければ、大人にも起こりうる症状です。
また、ビタミンEが少なくなると、全体的に活性酸素の被害を受けやすくなるため、肌荒れや神経疾患、筋力低下、しびれ、知覚能力の低下といったさまざまな症状が現れます。
長期的な観点で見ても、しみやシワなどの美容的な問題から、アルツハイマー病などの老化と関わる症状まで、数多くの老化現象がビタミンEの不足によって引き起こされています。

5.ビタミンEの摂り方

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ビタミンEは脂溶性のビタミンです。水溶性のビタミンとは違い、体の中で水と混ざり合うことがないため、排出されにくく、栄養に換えやすいビタミンとなっています。

ビタミンEの摂取目安量

ビタミンEの一日あたりの摂取目安量は、以下のとおりです。

成人男性:7.0mg
成人女性:6.5mg

成人後よりも思春期・成長期の摂取目安量が高いという特徴があります。12歳から17歳の男女は、成人の目安量よりも0.5mgから1.0mg多く摂取することが望ましいとされています。
授乳期間中の女性はビタミンEの消費が激しいため、+3.0mgを目安にして摂取していくよう心がけましょう。

ビタミンEの過剰摂取と副作用

ビタミンEは他の脂溶性ビタミンよりも副作用が起こりにくいビタミンとされています。食品からの摂取で重篤な副作用が起こることはないでしょう。
ただし、サプリメントやビタミン剤でビタミンEを補給する場合は注意が必要です。
ビタミンEの一日の摂取上限は、成人男性で800~900mg、成人女性で650~700mgとなっています。
副作用の症状としては、肝障害、下痢、吐き気、筋力低下が認められます。
また、大量に摂取すると血液が固まりにくくなる症状が現れます。血液の抗凝固剤を服用している人は摂取に注意すべきでしょう。

ビタミンEの含有食品

ビタミンEが多く含まれる食品を紹介していきます。
特記していない場合、100gあたりのビタミンE含有量を記しています。

もっとも多く含まれる食材

ビタミンEがもっとも多く含まれている食材はアンコウの肝です。

アンコウの肝:13.8mg

アンコウの肝はフォアグラと並ぶほどの珍味とされており、味も良好です。ビタミンE以外にもビタミンA、ビタミンB12、ビタミンDなどを多く含んでいます。
ただし、カロリーは100gあたり445kcalと高く、ダイエットには不向きな食材といえます。希少価値が高いため、値段も割高です。

魚の卵

手軽に摂れるビタミンEが豊富な食材であれば、魚の卵がオススメです。魚の卵のビタミンEの含有量は、以下のような数値になっています。

すじこ:10.6mg
キャビア:9.3mg
いくら:9.1mg
焼きたらこ:8.1mg

鶏の卵よりも魚の卵に多くのビタミンEが含まれています。
また、魚の身そのものにも多くのビタミンEが含まれており、特にアユやイワシといった魚から、ビタミンEを豊富に摂取することができます。

野菜

野菜からビタミンEを摂取する際は、下記の野菜を食材として利用していきましょう。

モロヘイヤ:6.5mg
だいこんの葉:4.9mg
かぼちゃ:4.7mg

ビタミンEの一日の摂取目安量はさほど高くないため、野菜からでも十分に摂取することができます。
かぼちゃは煮物にしておけば、毎日欠かすことなく摂取することができます。ビタミンEは脂溶性ビタミンですので、煮物にしても失われることがありません。

植物油

ビタミンEは植物油にも多く含まれています。
ただし、植物油は脂肪の原因である脂質を多く含むため、ダイエットには向いていない食材です。
サラダ油だけでなく、オリーブオイルの脂質量にも注意しておくべきでしょう。
オリーブオイルのダイエット効果は悪玉コレステロールを減らして、善玉コレステロールを増やすオレイン酸が豊富に含まれていることであって、カロリーそのものはサラダ油と変わりません。
オリーブオイルだからといって、使いすぎるとダイエットには逆効果となってしまいます。

ナッツ類

アーモンドや落花生などのナッツ類にも、ビタミンEは含まれています。他にも、オレイン酸やミネラルをバランスよく含んでおり、悪玉コレステロールを減らして高血圧を予防する働きや、美肌効果が期待できます。
満腹効果が高い食品となっていますので、ダイエット中の間食などに利用するのが良いでしょう。
食事前にナッツを食べることで、食事量を減らすことも可能です。
酸化してしまうと効果が薄くなってしまうため、缶や瓶といった密封容器に入れて保管するようにしましょう。

調理の際の注意点

ビタミンEは植物油にも多く含まれているため、油と一緒に調理することで吸収率が高まります。
ただし、ダイエットを行なう場合、脂質の摂取は控えておいたほうがよいでしょう。
また、ビタミンEは光や紫外線、熱に弱く、劣化しやすいという性質を持っています。古い油を使用すると、ビタミンEを十分に補給することができません。
調理の際には少量の新しい油を使用し、油分を摂り過ぎないよう心がけていくことが重要です。

6.まとめ

ビタミンEは強い抗酸化作用をもつビタミンとして知られています。
抗酸化作用とは、簡単に言うと老化予防のことです。
人間の体は活性酸素によって免疫力が保たれています。活性酸素には体内に侵入してきた細菌やウイルスを攻撃する役割があります。
ただし、アルコールの摂取やストレス、激しい運動などによって、活性酸素が多く体内に存在していると、不飽和脂肪酸と結合してしまい、細菌ではなく細胞を攻撃し始めます。
この結合体は過酸化脂質と呼ばれます。過酸化脂質は細胞を酸化させて、老化を早める作用があります。
ビタミンEは不飽和脂肪酸よりも活性酸素と結びつきやすい性質を持っています。ビタミンEと結びついた活性酸素は、細胞を攻撃することなく沈静化します。
これがビタミンEの抗酸化作用となっているのです。

ビタミンEはあらゆる細胞の細胞膜に存在しており、血中の活性酸素とも結びつきます。血中にはコレステロールや脂質が多く流れているため、過酸化脂質が発生しやすい部位です。
ビタミンEを摂取して、細胞膜に多く留まらせておくことで、活性酸素の悪行をいち早く食い止めることが可能です。

このようにビタミンEは、人間の生命活動になくてはならない栄養素となっています。ダイエットにおいても、血行を促進させて、代謝をアップさせるという重要な効果を担っています。
ただし、ビタミンEが豊富に含まれる食品は高カロリーであることが多いため、ビタミンEが豊富に含まれているという理由だけで、安直に食材を選んでいるとダイエット効果は発揮されないでしょう。
ダイエットを行ないながら、ビタミンEを摂取していくためには、ビタミンEが豊富に含まれる食材を食べることも重要ですが、それ以外の食材のカロリーを押さえていく必要があります。
一つの食材やメニューにこだわるのではなく、全体的なカロリー総量を考えた献立を組み立てることが、ダイエットとビタミンEのバランスよい摂取に繋がります。