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痩せるダイエットの効果と方法、やり方を徹底解説!

【ダイエットの栄養】ナイアシンの効果と不足症状、摂り方

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ナイアシンはビタミンB群のひとつであり、糖質や脂質といった栄養素を、生体活動を行なうためのエネルギーへと変換するために必要な栄養素となっています。
他にもアルコールを分解する作用や、皮膚や粘膜の健康維持、脳神経の保全など、多くの働きを持っており、人間の体になくてはならないビタミンです。
カロリーを生み出す体内機能の一部となっていることから、ダイエットとも関わりが深く、美しく健康的に痩せるなら、知っておくべき栄養素です。
今回はナイアシンについて、説明していきます。

1.ナイアシンとは?

ナイアシンは循環器、消化器、神経など、多くの器官の働きを促している栄養素です。
ビタミンB群の中で、3番目に発見されたビタミンであり、昔はビタミンB3と呼ばれていたこともあります。
ニコチン酸と呼ばれることもありますが、タバコの有害成分であるニコチンと直接的な関係はありません。ニコチンという名称は、タバコのニコチンと化学構造が似ていたために名づけられたものであり、今では紛らわしさを解消するために、ナイアシンという名前で呼ばれています。

ナイアシンが最初に発見されたのは、1911年ごろであり、ビタミンという存在自体が発見された時期とそう変わりません。
ただし、栄養学においてナイアシンの働きが注目され始めたのは、1937年と比較的遅く、今でも食文化によって、ナイアシンが不足しがちな地域があります。
ナイアシンが不足することにより、もたらされる弊害として、もっとも有名な病気は"ペラグラ"であり、アメリカのエルビエムという科学者によってナイアシンの有意性が立証されました。

人間の体内において、具体的にどのような作用を及ぼしているのかというと、ナイアシンは補酵素という役割を担っています。
補酵素とは、その名のとおり、酵素を補助する成分を指します。酵素は脂肪や糖質を分解する重要な成分です。ダイエットも酵素の働きによって、大きく効果が変化します。
もちろん、酵素の働きを支える補酵素・ナイアシンもダイエットの成果を左右します。

このように人体に大きな効力を及ぼし、必要不可欠とされているナイアシンですので、摂取方法も難しくはありません。
ナイアシンの摂取には二つの方法があります。
一つは食物から摂取する方法です。ナイアシンは肉類、魚類といった動物性の食品から、野菜などの植物性食品まで幅広い食物含まれている栄養素です。
また、牛乳や卵に含まれる必須アミノ酸のトリプトファンから、生成することもできます。
人間だけでなく、多くの動物が、肝臓でトリプロファンをナイアシンへと変換させています。
ただし、ナイアシンの体内生成にはビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6が必要とされるため、トリプトファンだけを摂取しても、これらのビタミンB群が不足していたら、ナイアシンに変換されることはありません。

人間の場合、肝臓だけでなく腸内細菌を使って、トリプトファンからナイアシンの生成を行なうこともできるため、ナイアシンが不足することはほとんどありません。
しかし、中南米で主食とされている、とうもろこしにはトリプトファンがあまり含まれておらず、ナイアシンそのものを摂取することが少ないため、今でもナイアシン不足によるペラグラという症状を発症している事例があります。
米を主食とする日本では、トリプトファンを主食から摂取することができるため、ペラグラの発症事例はほとんどありません。
しかし、ダイエットによって極度にタンパク質や糖質、脂質などを押さえた食生活を送っていると、ペラグラを始めとした、さまざまなナイアシン不足の症状が現れる可能性があります。

 

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2.ナイアシンとダイエット

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ナイアシンは脂質、糖質、タンパク質を分解する酵素の働きを補助しています。
このことからもわかるように、ダイエットにおいて、ナイアシンが及ぼす効果は絶大です。
脂質、糖質、タンパク質を分解する補酵素の働きは、他のビタミンB群も持っていますが、その中でもナイアシンが占める割合は高く、体内に存在する酵素のうち、約2割(約400種類)にナイアシンが使用されています。

ダイエットを行なう際には、体に蓄積された脂肪の燃焼がポイントとなりますが、人間の体は糖質がもっともエネルギー変換されやすい栄養素となっています。
糖質は甘い食べ物だけでなく、米やパン、麺類など、ありとあらゆる主食に含まれている成分であり、人間の生命活動を支えるエネルギー源です。
脂肪を燃焼させるために、糖質を完全にカットすることは難しく、ナイアシンの分解効率を上げることが、ダイエットの効果を高めるキーポイントとなると言えるでしょう。

では、ナイアシンは具体的に、どのようにして脂肪をエネルギーへと変換しているのでしょうか。
これには酸化還元酵素というエネルギー変換補酵が深く関わっています。

酸化還元酵素とは、体内で酸化還元を行なう酵素です。
酸化還元とは、糖質をブドウ糖へと分解し、体内の細胞へと吸収させ、そこでさらに二酸化炭素と水に変換し、カロリーとして燃焼させる反応のことを指します。

酸化還元酵素を始めとした酵素は、体のエネルギーを生み出すために、重要な働きを行なう物質です。体のエネルギーの約60パーセントから70パーセントが、ナイアシンの働きによって生み出されており、ナイアシンの摂取、および生成がダイエットに大きな効果を及ぼしていることは間違いありません。
ナイアシンをエステル化した薬剤である、ニコチン酸誘導体は高脂血症を改善する処方薬であり、体内のコレステロール値を下げる効果があることでも知られています。

3.ナイアシンの効果

ダイエット以外にも、ナイアシンは多くの美容・健康効果を持っています。

細胞の生まれ変わりをサポートする

ナイアシンは、他の体内物質と結びつくと、NAD (ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド)という物質になります。
このNADが補酵素として働くのですが、その際、さらに他の物質と結びつき、NADP (ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチドリン酸)という物質へ変化していきます。
NADPはDNAやホルモンを作る際に必要とされる物質であり、細胞の生まれ変わりを支える役割を持っています。

美肌を作り出す効果

肌の細胞もNADPの作用によって、生まれ変わっています。
きめ細かい肌を作り出すためには、定期的な肌のターンオーバーを欠かすことができません。
日本人の食文化であれば、ナイアシンが不足することはないため、通常、肌のターンオーバーが極度に乱れることはありませんが、年齢や紫外線・埃などの外部的な刺激により、肌の再生能力が低下することがあります。
ナイアシンを摂取して、細胞の生まれ変わりを意識的にサポートすることにより、ターンオーバー能力の増強を行なうことが可能です。
ターンオーバーが増強されると、ニキビなどの炎症効果だけでなく、しみやしわといった老化を予防することもできます。アンチエイジングにも大きく役立つでしょう。

粘膜を保護する効果

ナイアシンは粘膜の細胞の再生にも携わっています。
こちらもNADPの作用によるもので、特に消耗が激しい口や胃腸に影響を与えています。

アルコールを分解する効果

エネルギーを作り出す効果と並んで、重要とされているナイアシンの働きです。
ナイアシンには、アルコールを分解する効果があります。
飲酒などによって、人体に吸収されたアルコールは胃腸では解毒されません。
一旦、血液に吸収された後、肝臓へと運ばれて分解されます。この時に使われるアルコール脱水素酵素の補酵素として、ナイアシンが使用されています。
また、アルコールが分解された後には、アセトアルデヒドという物質が生まれます。
アセトアルデヒドとは、アルコールの主成分であるエタノールが酸化作用によって分解されることにより、体内に生じる物質で、肝機能の活動を阻害する有害物質となります。
アセトアルデヒドが体内に残っていると、頭痛や吐き気などの"二日酔い"が症状として現れます。
ナイアシンは、アセトアルデヒドを分解するアセトアルデヒド脱水酵素の補酵素としても、使用されています。分解されたアセトアルデヒドが酢酸となれば、頭痛や吐き気などの二日酔い症状に悩まされることがありません。

血行を促進する効果

ナイアシンには血行をよくする効果もあります。代表的な例が動脈硬化などの脂質異常症を予防・治療するニコチン酸誘導体です。
ニコチン酸はナイアシンの別名でもあり、悪玉コレステロールの値を低下させ、脂質の分解を促進させる効果があります。分解されるのは悪玉コレステロールだけで、善玉コレステロールは分解されないという利点もあり、さまざまな脂質異常症に活用されています。
脂質異常症は、分解されきれなかった糖質や脂質が血管の中に溜まり、血液の流れを阻害する壁となってしまう症状です。脳卒中や心不全といった重大な症状を引き起こす生活習慣病の原因ともなっており、コレステロール値を下げるニコチン酸誘導体は処方薬として、処方されています。
ニコチン酸誘導体は処方薬であるため、動脈硬化などの症状が現れている人しか入手することができませんが、ニコチン酸誘導体の原材料とも呼べるナイアシンは、一般的に流通している食品から手軽に摂ることができます。
ナイアシンが多く含まれる魚や肉を食べることで、肥満の原因ともなるコレステロール値を下げ、脂肪の分解を促進できるということです。

4.ナイアシンが不足した場合

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ナイアシンは多くの食品から摂取できるため、欠乏症に陥ることはほとんどありません。しかし、とうもろこしを主食としている中南米では、稀に欠乏症が見られることがあります。
ナイアシンが欠乏した場合、以下のような症状が出ます。

皮膚炎

顔や顎、手足などに日焼けのような赤い炎症が起こります。悪化すると水疱やかさぶた状の皮膚異常が起こることもあります。
これらの症状は、日光が当たる場所に出やすいとされています。
褐色色の色素沈殿もナイアシン欠乏による皮膚炎です。

口内炎、口角炎

ナイアシンは粘膜の再生を担うビタミンです。欠乏すると口の周りの粘膜に炎症が起こりやすくなります。口の周りの粘膜は消耗が激しいため、他の粘膜よりも先に症状が現れます。

下痢

ナイアシンが不足すると、内臓の粘膜も炎症を起こしやすくなり、下痢の症状が現れます。
ナイアシン欠乏による下痢に、通常の下痢止め薬を用いても効果は発揮されません。
ニコチン酸の投与が必要となります。

精神症状

ナイアシンは脳神経の保全を担っているため、不足すると認知症のような症状が現れます。
他にも現れる精神症状は多岐に渡り、極度の不安やせん妄、厳格や抑うつ状態などの症状が見られます。

これらの症状はペラグラとも呼ばれ、1937年に原因がナイアシン不足によるものと判明するまでは、原因不明の病とされていました。
現在では研究が進み、治療法も確立されています。

5.ナイアシンの摂り方

ナイアシンは水溶性のビタミンであるため、水に溶けやすいという特性を持っています。
熱・酸・光に対しては耐久度が高く、壊れにくい成分ですが、調理方法には注意が必要です。
ここでは、ナイアシンが多く含まれる食品や摂取目安量、調理の注意点を説明していきます。

ナイアシンの摂取目安量

ナイアシンの一日あたりの摂取目安量は、以下のとおりです。

成人男性:15mg
成人女性:11mg

この数値はナイアシンの摂取量です。
ナイアシンは、必須アミノ酸であるトリプトファンからも生成されます。
トリプトファンから生成されるナイアシンの量は、トリプトファン60mgに対して、ナイアシン1mgとなっています。

ナイアシンの過剰摂取と副作用

食品からナイアシンを摂取する場合、過剰摂取による副作用はほとんど認められません。
ただし、サプリメントで摂取する場合は過剰摂取に気をつける必要があります。
以下は副作用の一例です。

1日100mg以上:皮膚の炎症、痒み(数時間で治まる)
1日2000mg以上:肝障害の危険性

糖尿病や肝疾患、痛風などの持病を持つ人は、ナイアシンの過剰摂取により、血糖値の上昇、尿酸値の上昇といった副作用が起きる可能性があります。

ナイアシンの含有食品

ナイアシンが多く含まれる食品を紹介していきます。
特記していない場合、100gあたりのナイアシン含有量を記しています。

魚介類

魚介類にはナイアシンが豊富に含まれています。

たらこ:56.9mg
かつおぶし:45.0mg
まぐろ(赤身):14.2mg
さば:10.4mg
ぶり:9.5mg

赤身の魚に多く含まれており、干物として加工された食品のほうが高い含有量となっています。

肉類

肉類では、レバーにナイアシンが多く含まれています。

豚レバー:14.0mg
牛レバー:13.5mg
鶏ささみ:11.8mg
鶏むね肉:11.6mg

鶏肉はナイアシンが多く、脂質が少ない食品です。
低カロリーでタンパク質を摂取することができるため、ダイエットに最適な食材と言えるでしょう。

野菜

野菜ではきのこ類や豆類に多く含まれています。

まいたけ:9.1mg
えのきだけ:6.8mg
エリンギ:8.1mg
しめじ:6.6mg
らっかせい:17.0mg

特にきのこ類はナイアシンを多く含んでいる食材です。

調理の際の注意点

ナイアシンは熱や光に強く、アルカリや酸でも壊れることがありません。
ただし、水溶性のビタミンであるため、熱湯には非常に溶けやすい特性を持っています。
煮物など水を使った調理を行なう場合は、煮汁ごと食べられるように考慮すべきでしょう。
また、肉類を油で揚げると、20パーセントから40パーセントのニコチンアミドが食材から失われてしまいます。調理の際には気をつけるべきでしょう。

6.まとめ

ナイアシンは脂質、タンパク質、糖質といった主要な栄養分をエネルギーへと変換させるビタミンです。ビタミンB群に分類されており、多くの酵素を助ける補酵素としての役割があります。
体内で生成される場合は、必須アミノ酸であるトリプトファンが原料となります。
ナイアシンやトリプトファンを含む食品は多く、健康な食生活を送っている限り、不足に陥ることはありません。

ただし、ダイエットによって肉類の摂取を制限している場合、ナイアシンの不足に陥る可能性があります。ナイアシンが不足すると、皮膚や粘膜に炎症が起こるペラグラという症状が出ることがあります。
ナイアシンが多く含まれている食材は、まぐろやサバなどの赤身魚や、レバーや鶏肉といった肉類です。これらの食品を摂取し、ナイアシンが不足しないよう努めましょう。

コレステロール値を下げ、脂質や糖質を分解する効果を持つナイアシンはダイエットにも大きな効果をもたらします。
より効率の良いダイエットを行なっていくためには、食事を制限することばかりでなく、脂肪を分解する成分を取り入れていくことも重要となります。