止まらない食欲を抑える9つの方法を徹底解説!
痩せるためにもっとも苦しいのは、有酸素運動や筋肉トレーニングといった体を動かす"運動"ではありません。
行動を行なわないこと、つまり"止まらない食欲を抑えること"が、痩せるためにもっとも苦しい難関です。
今回は食欲の仕組みを探るとともに、止まらない食欲を抑える方法をご紹介していきます。
どうして食欲は生じるのか
食欲は本来であれば、体がエネルギー不足に陥っている時にのみ、生じる欲求です。
科学的に説明すると、
- 血糖値が低下する
- 胃壁が縮む
この2つの状態によって、食欲は生じます。
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①血糖値が低下する
血糖値が低下している状態とは、血液中のブドウ糖が少なくなっている状態を指します。
ブドウ糖は炭水化物などに含まれる糖質が、体内で分解されることにより、作り出されます。
糖質は、体を動かすために必須となる栄養素です。エネルギー(カロリー)に変換されやすい栄養素で、人間が一日に摂取する食べ物のうち、50パーセントから70パーセントが糖質で占められています。
糖質が作り出すエネルギーは、手足だけでなく、心肺機能を動かすためにも使われています。呼吸を行なうことができるのも、心臓を動いているのも、糖質が作り出したエネルギーのおかげです。
つまり、人間は糖質なしでは生きていくことができないので、血糖値が低下すると、強烈な食欲が湧き立つことになります。
②胃壁が縮む
胃の大きさは常に均一というわけではありません。
食べ物が入っている時と、入っていない時では胃の大きさが変化します。
空腹時の胃の容積は50ミリリットル程度ですが、満腹時には2リットル近くにまで膨張します。
この胃壁の収縮が満腹中枢を経由し、摂食中枢へ伝わることによって、食欲が生じるのです。
- 満腹中枢
- 摂食中枢
は食欲と深く関係しています。
続いて、満腹中枢と摂食中枢について深く掘り下げてみましょう。
満腹中枢と摂食中枢
満腹中枢は脳の視床下部に存在しています。
そして、摂食中枢も同じく脳の視床下部に存在しています。
- 満腹中枢は"満腹を感じる器官"
- 摂食中枢は"空腹を感じる器官"
です。
つまり食欲は、
- 空腹感
- 満腹感
の二つによって構成されているのです。
- お腹が空いた!
- 食べ物を食べたい!
という欲求は、摂食中枢が活発に働くことによって引き起こされます。
ただし、摂食中枢の働きを抑制すれば、食欲を抑えられるというわけではありません。
摂食中枢は血糖値の低下や、胃壁の収縮といった空腹のサインに反応する器官です。
食べ物を食べて血糖値が上がったことや、胃壁の中に食べ物が入ってきたことには反応しません。
つまり、摂食中枢は"お腹が減ったこと"は感じ取れても、"お腹が満たされたこと"は感じ取れないのです。
血糖値が上がったことを感じることができるのは、"満腹中枢"です。満腹感を脳に伝えるのも満腹中枢の役割です。
必要以上の栄養を補給してしまい、肥満が起きてしまうのは、満腹中枢がしっかりと働かず、いつまで経っても脳に満腹感を感じることができないためです。
よって、食欲という観点においては、満腹中枢と摂食中枢のどちらも重要視しなければいけません。
止まらない食欲を抑える9つの方法
食欲を抑えるためには、満腹中枢をしっかりと働かせて、摂食中枢の働きを抑制する必要があります。
もちろん食欲を"抑える"だけです。食欲を失くしてしまう必要はありません。
体が必要としている以上の栄養を摂らないために、食欲を抑える必要があるのです。
①早食いしない・よく噛んで食べる
胃の中に食べ物が入ってきたからといって、満腹中枢はそのことを感じ取れるわけではありません。
満腹中枢は血糖値の上昇によって、体に十分なエネルギーが補給されたことを脳に伝えます。
すなわち、人間が満腹感を感じるのは、満腹中枢が血糖値の上昇を知った時ということになります。
また、食べたものがすぐに糖質へ変わるというわけでもありません。
これらの仕組みによって、満腹中枢が血糖値の上昇を感知するまでには、食事開始から約20分の時間を要します。
早食いをして、満腹中枢に血糖値の上昇が伝わる前に食事を終えてしまったら、十分にエネルギーが足りているにも関わらず、食欲がおさまりません。
結果として、
- まだ食べ足りない
- もっと食べたい
と余分なエネルギーを摂取してしまう羽目になるのです。
食事の時間はなるべく長めに取ったほうがよいでしょう。
また、噛むという行為は満腹中枢を刺激します。噛むことも脳に満腹感を伝えるには重要な要素です。
②運動をする
運動をすると余計に食欲が増すように感じられます。
しかし実は、食欲というものは運動中には発されません。
これは運動を行なっている最中に、アドレナリンが分泌されているためです。
アドレナリンが分泌されると、一時的に血糖値が上がります。
食欲は血糖値が下がった時に感じるものです。
運動がダイエットに繋がる理由もここにあります。
血糖値は血液中のブドウ糖の指数です。
血糖値が上がるということは、ブドウ糖が生成されているということです。
空腹時に運動を行なっていても、ブドウ糖は生成されています。
そして、その原料となるのは糖質ではなく、体に蓄積された脂肪なのです。
つまり、こういうことになります。
- 糖質が足りていない。
- 運動を行なう。
- アドレナリンが分泌されて、血糖値が上がる。
空腹を感じない。 - この時に生成される血糖値は脂肪から作られる。
- ダイエット効果を得られる。
運動はダイエットに一石二鳥の効果を与えます。
- 食欲を抑制すること
- 脂肪を燃焼すること
を同時に行なうことができるのです。
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③炭酸水や食物繊維で胃を膨らませる
食欲を抑えるためには、
- 血糖値を上げて満腹中枢から満腹感を引き出す方法
- 摂食中枢から発される空腹感をシャットアウトする方法
があります。
これは、空腹感を抑制するための方法です。
摂食中枢は胃が収縮することによって、活動を活発にします。
これが空腹感となり、食欲を生じさせることになります。
胃の中に食べ物が入っている状態では、胃は収縮しません。
胃が満たされれば、空腹感のスイッチを切ることができるのです。
よって、食物繊維や炭酸水で胃を膨らませれば、脂質のもととなるカロリーを摂らずに空腹感を抑えることができます。
間食を食べたくなった時には、炭酸水で胃の収縮を抑えましょう。
そして、食物繊維は食事の最初に食べましょう。
迅速に空腹感のスイッチをオフにすることが、食欲を抑制するポイントです。
④血糖値の上昇をコントロールする
糖質を多く含む食べ物は、血糖値を急激に上昇させます。
そして、急激に上がった血糖値は、急激に下がります。
これは血糖値を下げるために、体内でインシュリンが生成されるためです。
インシュリンは、血液中から糖質を取り除きます。
取り除かれた糖質は、脂質として、体に蓄えられてしまいます。
加えて、血糖値が急激に下がると摂食中枢が働き始めます。
食べることによってお腹が空くスピードが早まってしまうのです。
糖質は炭水化物に多く含まれています。
また、砂糖は糖質そのものといってよいでしょう。
特に注意しなければいけないのが、飲みものによる糖質の摂取です。
飲み物は消化を必要としないため、素早く血糖値を上げやすいという特性を持っています。
一見、ヘルシーな食材のように見える、フルーツにも注意が必要です。
フルーツも体内に吸収されやすく、血糖値を急激にアップさせる効果があります。
太らない果物の食べ方とダイエットにおすすめの果物を徹底解説!
食事を行なう際には、血糖値の上昇スピードに気をつけて、野菜や低カロリーな食品から食べていくよう脳がけましょう。
⑤食べ物で五感を刺激しない
人間は、
- 満腹中枢
- 摂食中枢
以外にも、五感によって食欲を刺激されます。
これは動物全般に言えることですが、エネルギーを補給するということは、本来、何よりも優先されるべき生命活動です。
どんな生き物でも食べられる時に食べて、できるだけエネルギーを備蓄しておきたい、と考えます。
人間も同じく、目の前に食べ物を突き出されたら、お腹が減っていなくても食欲を刺激されてしまいます。
グルメ番組やグルメ雑誌を読むと、自然と食欲が湧いてきてしまうのです。
もちろん刺激を受けるのは視覚情報だけではありません。
- 香ばしい香り
- 肉を焼く音
- 一口食べると止まらない
- お菓子を手に持つ感触
など
- 嗅覚
- 味覚
- 触覚
- 聴覚
五感すべてで食べ物の存在を感じ取ります。
食べ物を感じさせるものは、なるべく遠ざけるようにしましょう。
食後にハミガキをして、食べ物の味を素早く消し去ることも大切です。
また、口の中をキレイに磨いた後には、何か食べようという気持ちにはなりにくいものです。
食べ物を食べた後、必ずハミガキを行なうようにしておけば、ハミガキをした=今は食事をしない」という認識を脳に植えつけることもできます。
⑥青いメガネを掛ける
日本人だからこそできる、視覚情報を利用した食欲減退方法です。
日本人は青い食べ物に馴染みがありません。
青いケーキや青い着色料でコーティングされた肉を想像してみてください。
美味しそうだとは感じませんよね。
青いメガネを掛けて、食べ物を青く見せることによって、食欲を低下させることができます。
ダイエットアイテムとして、青いメガネが市販されているので、探してみるのもよいでしょう。
自宅であれば、周囲の目を気にすることなく、使用することができます。
- 朝食
- 昼食
- 夕食
を比べた場合、もっとも高カロリーな食事を行なうのは、夕食です。
自宅で取る夕食の量を減らすだけでも、かなりのダイエット効果を得ることができます。
⑦"口寂しい"をやり過ごす
禁煙を始めたばかりの人が口寂しくて、食べ物をたくさん食べてしまい、太ってしまった、という話をよく聞きます。
お菓子をついつい食べてしまう時にも「口寂しいから食べてしまう」という発言が聞こえてきます。
では、どうして"口寂しい"状態に陥るのでしょうか?それはストレスを感じているためです。
人間はストレスを感じると、口寂しさを感じます。
口寂しさを解決するためには、ストレスを解消することが一番の解決策です。
上手くストレスを解消できない時、ストレスの原因が定まらない時は、五分間我慢してみましょう。
口寂しさは五分で消えるといわれています。
どうしても口寂しさを拭えない時は、ノンシュガーのガムを噛むことも有効です。
ガムを噛んでいる時、人間の口の中は食事をしている時と同じ状態になります。
この状態は満腹中枢を刺激することができます。
口を動かすことによって、集中力も回復するため、食欲を遠ざけることができます。
⑧よく眠る
睡眠を取ることによって、レプチンというホルモンが分泌されます。
レプチンはギリシャ語で『痩せる』を意味するleptosから命名されました。
お腹が満腹になっている時にも、レプチンが分泌されています。
レプチンが満腹中枢に「満腹になった」という情報を知らせているのです。
睡眠不足になると、レプチンの分泌量は低下します。
同時に空腹ホルモンのグレリンが増えてしまいます。
睡眠不足の日は、普段より食欲が25%増して、余分なカロリーを摂取してしまうという研究データもあります。
食欲を抑制するためにも、レプチンをしっかり分泌できるよう、睡眠をしっかり取りましょう。
なお、レプチンには満腹感を知らせるだけでなく、エネルギーを消費する効果もあります。二重の意味でダイエットのために役立つホルモンです。
⑨自炊をする
自炊をするということは、食事を取るまでに一つ手間を掛けなければならないということです。
この手間は食欲の抑制に、大いに役立ちます。
- インスタント食品
- スナック菓子
は、食欲を感じた次の瞬間には、口の中に入れることができます。
自宅に置いておくと、お腹が空いていない時でも食べてしまうのです。
食べ物で五感を刺激することで食欲が湧きますが、刺激しすぎると満腹感がやってきます。
料理をする人が料理を作り終えると、あまり食欲がなくなるのはこのためです。
食欲を抑えるなら、しっかりと食材を購入して、自炊を心がけましょう。
食欲を抑えることができた方法、できなかった方法の口コミ
食欲を抑えることができた方法
・一口サイズのお菓子をデスク周りに置かないように心がけた
仕事中にストレスが溜まると、つい甘いものに手が伸びていたのですが、なければないで我慢できるものですね。
・テレビを見ながら食べたり、スマホを見ながら食べるのをやめた
食事に集中して、食べる時間を固定すること。
他のことをやってる時に腹が減らなくなった。
「今は食べる時じゃない」と体に覚えこませたら勝ちだと思う。
・今は本当にお腹が減ってるのかな、って自分に問いかけた
無意識に食欲が湧いたから食べるのでは無く、本当にお腹が減っているのか確認するだけで、けっこう間食の量が減りました。お腹が減ってないのに、食べてたことが意外と多かったみたいです。
食欲を抑えることができなかった方法
・断食をしたものの食欲が抑えられなかった
食べる量が増えて、胃が大きくなってるから、お腹が空くんだと思って、胃を小さくすればいいと断食してみたけど、全然食欲が収まらない。
ストレスが溜まっただけ。しかも、ストレスで余計に食べてしまった。
結局、リバウンドどころか普通に太っただけ。
調べてみたら、食べすぎに胃の大きさは問題じゃないらしい。
胃を満たすんじゃなく、満腹中枢を満たすべきらしい。
・置き換えダイエットで食べ物の代わりにジュースを飲んだ
置き換えダイエットなら痩せるかも、と思って、食べ物の代わりにジュースばっかり飲んでたら余計に太った。
100パーセント果汁のフルーツジュースじゃないと、糖質が多すぎて余計に太るのかも。あとジュースだと噛まないから、飲んでも満足できない。
結局、お菓子とか食べたくなって、めちゃくちゃストレスだった。
止まらない食欲を抑える方法のまとめ
食欲を抑えるために重要なポイントは、胃の大きさや食べ物の種類ではありません。
満腹中枢と摂食中枢を上手くコントロールすることが、食欲を抑制する最大のポイントです。
満腹中枢
- 満腹感を生じさせる器官
満腹感を感じることで、食べすぎを予防 - 血糖値の上昇で活動する
満腹中枢が血糖値の上昇を感じ取れるのは、胃の中に食べ物が入ってから20分後
早食いは食べすぎを招く - 満腹中枢を機能させるホルモンはレプチン
睡眠不足に陥ると、レプチンの分泌が低下
このことにより、満腹感を感じにくくなり、食欲が満たされにくくなる
摂食中枢
- 空腹感を生じさせる器官
空腹感を感じることで、必要以上のカロリーを摂取してしまう - 血糖値の低下、胃の収縮によって活動
血糖値は急激に上昇すると、低下スピードが早まりまる
インシュリンによって脂肪が体内に蓄積される原因にもなる
食事はよく噛んでゆっくり食べるようにする - 胃は空っぽになっている状態で収縮
ノンカロリーな飲み物、体内に栄養素として吸収されない食物繊維でお腹を膨らませる
五感による刺激
食べ物に接すると、食べたいという食欲が目覚めます。できる限り食べ物は遠ざけましょう。
五感による刺激を取り除くためにも、食後にハミガキを行ないましょう。
まとめ
- 満腹中枢
- 摂食中枢
- 五感による刺激
を抑制することができれば、ダイエットの天敵となる食欲を抑えることができます。
ダイエットをより理解して理想の体を手に入れるためには、食欲を効率よく抑えていくことが大切です。